先日ご来院頂いた患者様は、仕事が忙しすぎて、超が付くほどの過労状態でした。
首肩背中のこり・腰痛・全身のだるさ・寝ても疲れがとれない・休みの日はずっと寝て過ごすなど、疲労で体が悲鳴を上げている状態です。
ちなみに、こういった過労による症状だけならば、治療を受けてしっかり休めば割合早く回復するのですが、この方は過労からくる自律神経の乱れで、胃腸の機能が落ちていました。
胃の痛み・もたれや、お腹がはる・痛い、下痢が続くなど、胃腸の症状もかなり訴えておられました。
こうなってくると、体にエネルギーを吸収する力が落ちていますので、その分回復が遅くなってしまいます。
このことを説明するのに最適なもので、東洋医学には先天の精と後天の精という考えがあります。
先天の精というのは、両親から与えられたもので、成長や発育に関する生まれもつ生命力といったものです。
後天の精というのは、飲食物から得られるもので、血液を作りだしたり、活動するためのエネルギーとなります。
過労などで食事からエネルギー(後天の精)が吸収しにくくなっていると、生まれ持った生命力(先天の精)の働きも低下してしまい、その結果、冷えたり、病気にかかりやすくなったり、老化が早まってしまったりすると言われています。
今回の患者様は、後天の精の補給が追い付いていない為、休んでも休んでも体が回復しない状態でした。
こういう状態の時は、体の辛さに対する治療だけではなく、胃腸の機能を回復させるように治療をする必要があります。
幸い、お若いですし、まだ胃腸の機能もそこまで落ちてはいなかったので、治療を続ければ比較的早く回復はしてくれると思います。
あくまでも、治療を続ければですが・・・。ここまで過労状態だと、一度の治療で治そうというのは、自然の摂理に反してますからね(笑)
もし、いくら寝ても疲れが全然取れないという方で、胃腸の調子が悪い方は、一度市販の胃腸の漢方薬でも飲んで、胃腸を整えてみて下さい。
※当院の治療効果には個人差があります。