40代の患者様のお話。
ある日の午前、一本の電話が鳴り響きました。
電話に出てみると、その日の午後に入っている予約を来週に変更したいとのことでした。
予約の変更は問題ないのですが、声を聴くと明らかに元気がない。
そこで、なぜ予約を変更したいのかを確認したところ、「身体がしんどくて、今日は行けそうにないので…。」ということでした。
以前も同じような理由で予約を延期したことがある患者様なのですが、その時は身体の状態もそこまで悪くなかったので、予約変更を了承しましたが、今回は状況が違います。
実はこの患者様。3月に入ってから会社で産休や辞める人の引継ぎを押し付けられている状況で、精神的にも肉体的にも疲労困憊の状態なのです。
その状態であることを十分承知している私からすると、身体がしんどいからと治療を先延ばしにしてしまえば、ますます疲労が蓄積してしまう事は明らかでした。そうなってしまうとただでさえ辛い状態の仕事を、身体が疲れ切った状態でしないといけなくなります。
それだけは避けてほしいと思った私は、「しんどくて来れないのは、それだけ疲れが溜まっている状態だからです。今日治療を受けないと余計疲れが溜まって、来週以降はもっとしんどくなってしまうと思いますよ。もし体調が回復して、今日治療を受ける元気が出てきたらまた電話をしてください。時間はいつでも大丈夫なので。」とお伝えしました。
後は来るか来ないかは患者様が判断することです。
という訳で、他の患者様の治療に戻りました。その後何名かの患者様の治療を行っていたところに再び電話が鳴り響きました。
「すいません、先ほどお電話した○○なんですけど・・・。元気が出て来たのでやっぱり今日行かせて頂いても宜しいですか?」ということでした。
電話から聞こえる声には力も出てきていましたし、何よりもそのように考えて頂けたことが嬉しかったので、私も元気に明るく返事をして、あえて埋めずに開けておいたその方の予約していた時間に再び予約を入れたのでした。
その後来院された患者様は、溜まっていたストレスを吐き出して、心身共にスッキリしてお帰りになられました。
※当ブログ内で紹介されている施術の効果には個人差があります。