胸郭出口症候群とは
首の骨と骨の間から出ている血管や神経が、胸郭の出口部分にあるいくつかのポイントで、筋肉や骨などによって締め付けられ、腕や手の痛み、だるさ、しびれ、冷えなどの症状(頚肩腕痛)が出るものを言います。
そのポイントが上の図の①~③のところで、具体的に言うと下記のようになっています。
①首の浅いところにある斜角筋という筋肉の隙間(斜角筋隙症候群)
②第一肋骨と鎖骨の間(肋鎖症候群)
③小胸筋と肋骨の間(小胸筋症候群)
この他に、頸肋という、第7頸椎の横突起が大きい(まれに存在する骨変異)為に同様の症状が起こる場合もあります。
胸郭出口症候群の治療
基本的には予防と保存療法が選択されます。
症状を悪化させるような動作、上肢を挙上したつり革を持つ姿勢や、重いものを持ち上げるような仕事、重いリュックサックやカバンなどを担ぐといった障害部位が圧迫されることを避ける。
症状が軽いときは、僧帽筋や肩甲挙筋の筋力強化、安静時も肩をすくめたような姿勢をとって圧迫を軽減させる。この他、装具で固定したり、消炎鎮痛剤、血流改善剤やビタミンB1などの投薬などがあります。
これらを行っても症状が改善しない場合や、頚肋がある場合には、手術が選択されることが多いようです。
胸郭出口症候群に鍼灸治療は有効か?
結論から言うと、とても有効です。
胸郭出口症候群の原因は障害部位での絞扼であることは先ほど述べましたが、この絞扼は斜角筋や小胸筋などの異常な緊張によって起こっているケースが多く、そういった場合、筋肉の緊張を緩めることが重要となります。
このようなケースであれば、大抵は数回の鍼灸治療で症状が劇的に改善します。
ただ、頚肋や骨と骨の問題である肋鎖間隙症候群などの場合は、症状が改善しにくいこともあります。
⇒病院で胸郭出口症候群といわれたが、「治療やマッサージなどを受けても症状があまり改善しない」とお困りの方はこちらからどうぞ。