70代の患者様のお話。

 

この患者様は膝の痛みで来院されていたのですが、他県からの来院ながらもしっかりと治療を続けた結果、右肩上がりで症状が回復し、とても喜んでいただいていました。

 

この患者様は、私たちのような、いわゆる治療院というところに真面目に通うのは初めてだったようで、治療を続けたら体が治ってもうそれで来なくても大丈夫という風になるとお考えでした。この患者様に限らず、そのようにお考えの方は沢山おられます。

 

確かに、治療をしっかりと受けていただくと膝の痛みの症状は治っていきます。

現に、今回はそのように体が変化していきました。

 

ただ、人間の体は機械とは違いますから、問題のある個所を修理すればそれでもう元通りという訳にはいきません。

この患者様にも、「人間の体は機械とは違うので、残念ながら治療をやめて間があけば、また徐々に戻ってしまいます。ですから、痛みが楽になった後は、例えば月一回の治療で良くなった体の状態を維持して再び痛みが出ないようにしましょうね。」

と何度もお伝えしていました。

 

しかし、どうも「治療=病院」といったイメージがあるようで、来院当初から「何回で良くなりますか?」とお尋ねになられ、症状が良くなると「もうそろそろ来なくても良いかな?って思ってるんですけど。」と自己判断をしておっしゃっておられました。

確かに、喉元過ぎれば熱さを忘れるというように、症状が改善して痛くないのに治療を続けるのに抵抗を感じる気持ちは分からないでもないです。

 

ですが、症状が改善した後、生活などは一切変えずに治療を受けずにいれば、やはり再び悪くなってしまうのは当然です。まあ、前のような状態になってしまうまでには結構時間がかかるとは思いますが。そして、また痛くなったので再び治療を受けるという訳ですね。

 

ただ、痛くなってから、再びご来院頂いた時には、症状を改善するためには再び間を詰めて来院が必要になります。そうなると、結局のところ辛い思いを再び味わった挙句、治療の回数も必要なためお金と時間もかかってしまうということになる訳です。

 

様々な患者様を診て来た経験から、その様な辛い思いを再びして欲しくないので、「せっかく治療をして良くなったので、それを維持してもらうように治療を受けるのが一番効率が良い治療ペース」とお伝えしていたのですが、この「良い状態を維持するために治療を受けることの価値」がどうも理解いただけませんでした。

 

というわけで、私も無理強いして治療を続けさせるといったことはしませんから、とりあえず一旦治療を終了して、また辛くなったら来院して頂くこととなりました。

 

次回は「痛くなり始めたらすぐに来てくださいね」と伝えた通りに、酷くなって辛い思いをしないうちにご来院頂けるように願うばかりです。

※当院の治療効果には個人差があります。

 

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