40代女性の患者様。

 

この年代から50代、60代の女性に多いのがいわゆる四十肩・五十肩なんですが、どちらも同じものです。

 

肩に慢性的な負担などからある時に炎症が起こってそれがどんどん悪化して痛みによる動きの制限がかかる。

最初は急激に痛みが強くなり、最もつらい時には痛みで夜眠ることが出来ないほどになる。少しでも動かすと強い痛みが走るため、痛みで動かさないようにしているうちにだんだん筋肉と関節が固まって動かせなくなってくるが、痛みは時間がかかるものの自然に治まり、それに伴って動かせるようになるため動きも徐々に回復していく。

というのが、典型的な五十肩の症状です。

 

なぜ典型的と付けたかというと、みんながこのような経過をたどる訳ではなく、痛みが少ない人もいれば、動きの制限が強い人もいます。そして、そもそもが肩の痛みというだけで五十肩と思っている人や整形外科などで誤診されている人もいますので、五十肩と一言でいっても治療の結果もみんな同じようになるわけではないのです。

 

という訳で、今回の患者様ですが、この方は当院へ来院された時にすでに10か月が経過しており、痛みも徐々に強くなってきていて、来院時がピークに痛みが強く、どちらかというと、痛みよりも肩が動かないのを何とかしたいという事でした。

この時点で既に典型例ではないのですが、調べてみるとこの方場合は痛みの程度が軽いままあまり動かさずにいる間に肩が動かなくなってしまっているという状態でした。

 

身体の状態(診察所見)としては、左肩の運動制限、左肩から頚、背中にかけての筋肉の異常緊張状態、右肩もガチガチで背中~腰もガチガチになっている。左肩はどの動きでも肩が痛む。

という訳で、これはもう固まってしまっているため、これを鍼だけで改善することは正直厳しい状態でした。

 

治療の方針としては

1、痛みを出来るだけ取る⇒動かすことが出来るようにする

2、筋肉の緊張を緩める⇒筋緊張からくる痛みの緩和、動かしやすくする

3、家で動かすように運動の指導⇒動かさない限り改善はほぼ不可能

という考えのもと治療を行いました。

 

結果はというと、徐々に動かした時の痛みは低下して、日常生活では痛みによる不都合は無くなりました。

ただ、治療頻度も前半はほぼ週一ペースでしたが、後半は3週間に一回程度となっていましたので、その間にどうしても運動をさぼってしまうため、なかなか動きが改善しませんでした。

おそらく、あと数ヶ月は肩の動きが元に戻るのにかかると思います。

※当ブログ内で紹介されている施術の効果には個人差があります。

 

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